18世紀以降から語られることが多いクラシック音楽の歴史。それ以前の西洋ではどのような音楽が聴かれていたのでしょうか? 「クラシック音楽」が出来上がっていなかった16世紀とベースが整備される17世紀を、西洋音楽が発展した背景にある、歴史、文化、宗教から解説します。 さらに、17世紀以降に世界の支配権を持ったヨーロッパが、開国した日本にどのような影響を与えたのか、禁教令が出されていなければ、日本ではどのような歌が歌われていたのか…。実際に当時の音楽を聴きながら、ひもといていきます。
岡田 暁生Okada Akeo
音楽学者、京都大学人文科学研究所教授。1960年、京都府生まれ。大阪大学大学院博士課程単位取得満期退学、1991年までミュンヘン大学およびフライブルク大学に留学。2001年に『オペラの運命』でサントリー学芸賞受賞、2009年に『ピアニストになりたい!』で芸術選奨新人賞、『音楽の聴き方』で吉田秀和賞受賞。最近はジャズに目覚め、月1でレッスンに通う。師フィリップ・ストレンジと共著で『すごいジャズには理由がある』(アルテスパブリッシング)。近刊にコロナ時代の音楽を論じた『音楽の危機』(中公新書)がある。